2024年度第2回研修会報告
●第2回研修会報告書
2024年度 第2回研修会 開催報告
学術部 梅村 修司
東出 了
2024年11月17日(日) 14時から17時30分に、2024年度 第2回研修会を中部労災病院 2F 講堂にて開催しました。参加者数は 73 名(会員 64名,非会員 9名)でした。研修会は若い診療放射線技師と新人教育を担う中堅の診療放射線技師に向けて救急撮影について企画しました。若手に分り易く、かつ経験者にも役立つ研修会を目指しました。
1つ目のシンポジウムでは一般撮影、CT、MRI、IVRについて各演者に講演をして頂きました。各モダリティの救急という患者の生命に関わる内容であり、一般撮影では移乗や体位についての工夫、CTについては検査だけではなく事前情報の重視やFASTやABCDE兆候の確認、患者とのコミュニケーションの重要性などの画像以外の重要項目、Primary SurveyについてのCT以外の知識なども重要であると知ることができました。MRIでは吸着事故や熱傷など、新人が陥りやすい事故について分かりやすく教えて頂きました。さらに椎骨動脈解離を例に救急の知識がより適切なシークエンス選びの助けになることを学ぶことができました。また、IVRでは救急において特に患者の生死に直結するモダリティのため診療放射線技師の業務だけにとらわれず、BLSや清潔作業など患者のためにできる事を何でも実施する重要性を再認識することができました。質疑応答では救急の呼び出しや勤務体制についての質問が多く、各施設の現状を共有する事ができ、大変有意義なものとなりました。
2つ目のシンポジウムでは、ハイブリッドERについてその有用性を2施設の講師より内因性と外因性の要因に分けて、動画を用いたわかりやすい講演をして頂きました。CTとIVRを同じ検査室で実施でき、時間短縮と移乗回数を劇的に減らせるという大きなメリットを再確認することができました。スキャノを省略し、1分以内でCT撮影を終えることで、CT検査をPrimary Survey的に運用するという画期的な方法はとても参考になりました。また、ハイブリッドERに運ばれても25%前後しかカテーテル治療にならないことなどは意外でした。使用する物品の取り寄せを考えると、カテ室との位置関係によっては非常に苦労をすることも理解できました。質疑応答では電源投入や人員呼び出しなど夜勤帯のハイブリッドERの運用についての質問が多くありました。特に導入予定がある施設の参加者からの質問が多く、導入経験や運用経験を共有することができました。
特別講演は医師や看護師がどうして急いでるのか、怒っているのかを知ることをテーマにPrimary Surveyにスポットライトを当てた講演内容となりました。放射線科におけるPrimary Surveyである胸部撮影、骨盤撮影について理解を深めることができました。撮影系だけではなく、ABCDEアプローチ、FASTなどの救命救急の分野まで解説して頂き、非常に勉強となる内容でした。クイズ形式で問題も提示され、興味を持って聴講することができ、わかりやすく理解を深めることができました。所見を探すことばかりに目を向けず、第一に致命的な所見の否定から始めるべきという内容が強く心に残りました。更に画像系以外のPrimary Surveyにも気を配る重要性にも気づくことができました。
2024年度 第2回研修会を無事に開催することができました。演者の先生方、企画から開催までにご尽力を頂いた学術部員、研修会を盛り上げて頂いた参加者の皆さまに感謝を申し上げます。今後も愛知県診療放射線技師会の研修会に積極的にご参加をお願いします。