診療放射線技師が担当する検査・治療について
一般撮影
一般撮影とは、「レントゲン撮影」や「X線撮影」と呼ばれている検査で、頭部、胸部、腹部、骨、歯など、あらゆる部位を撮影する事ができる最も基本的な検査です。
X線画像は、空気などのX線が通過しやすい部分は黒く、骨などのX線が通過しにくい部分は白く写し出されます。
一般撮影は、肺や腹部の状態、骨折の有無、骨・関節の状態を観察することができます。
胸部X線画像
CT
CT(Computed Tomography)検査は、人体の360度方向からX線で撮影し、そのデータをコンピュータで処理することによって、断層画像が得られる検査です。
現在のCTは、短時間で広範囲を撮影することが可能になり、立体的な3DCT画像や心臓を撮影する事も可能になりました。
心臓CT画像
MRI
MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査は、CT検査のようにX線ではなく、強力な磁気と電波を使って断層画像を作ります。放射線による被ばくはありません。
MRI室には、非常に強力な磁気が発生しているため、入室するときには金属類を持ち込むことはできません。
頭部MRI画像
頭部血管
MRアンギオ画像
骨密度測定
骨密度の低下が進むと容易に骨折を起こしやすくなるため、骨密度検査は、骨の健康を知る上で重要な検査と言えます。
骨の中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がどのくらいあるのか測定することで、骨の強さを知る事ができます。骨密度は、若い人の骨密度の平均値に対して、自分の骨密度が何%であるかを知る事ができます。
X線TV
X線TV装置は、X線画像を動画で観察しながら検査を行う装置です。例えば、バリウム等の造影剤を使った食道・胃・腸などを調べる消化器系の検査、脊椎や関節などを調べる整形外科系の検査、腎臓から膀胱などの尿路を調べる泌尿器系の検査などがあります。
その他に、内視鏡とX線TV装置を併用して胆道系や大腸などを調べる消化器系の検査や気管支を調べる呼吸器系の検査などがあります。
血管撮影
血管撮影検査では、足の付け根または、手首や肘の動脈から細い管(カテーテル)を挿入し、造影剤を目的の血管に注入しながら、X線を用いて観察・撮影を行う検査です。血管撮影では、脳、心臓、胸部、腹部、骨盤部、そして手足に流れる血管が主な対象で、血管の形態や血流の状態を知る事で、脳梗塞の血栓除去や血栓溶解、心筋梗塞など様々な血管の撮影や治療を行います。
対象疾患であれば、外科的手術を施すことなくカテーテルを用いて治療ができる血管内治療(Interventional Radiology:IVR)を行うことも可能です。
脳血管撮影画像(動脈瘤)
核医学(RI)検査
ごく微量の放射線を出す放射性薬剤を注射し、目的の臓器や組織に集まったところで、そこから放出される放射線をガンマカメラで撮影し画像化します。
PET-CT検査
PET(Positron Emission Tomography)検査は核医学検査の中の一つで、PET検査用の放射性薬剤を注射し、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化します。PETの放射性薬剤は主にがん細胞に多く集まるので、体内のがん細胞を発見する手がかりとなります。
PET検査では、従来のCTやMRIでは発見しづらかった初期のがんを発見する可能性が高い検査法と言われています。
マンモグラフィ検査
乳がんの早期発見に有効な画像診断の1つで、マンモグラフィ検査により乳がんの初期症状である微細な石灰化や、触ることが出来ない小さな病変も発見することができる検査です。
乳房は柔らかい組織であるため専用のX線撮影装置を使用し、乳房全体を圧迫して薄く伸ばした状態で撮影します。乳房を平たく圧迫することで病変をより鮮明に写し出します。
マンモグラフィ画像
放射線治療
放射線療法は、外科的治療、化学療法と共にがん治療を支える重要な治療法です。
放射線治療装置は、高エネルギーX線を発生させるリニアックと呼ばれる装置が一般的で、治療に用いる放射線の種類には、X線、電子線、ガンマ線などが主に用いられています。
がん細胞に多くの放射線を照射し、周囲の正常組織にはできる限り放射線が少なくなるような照射方法が開発されています。
近年では、陽子線や重粒子を使った粒子線治療も行われています。
粒子線治療は、X線による一般的な治療より病巣のみに効率よく線量を集中し、正常組織への線量を少なくすることができます。
超音波(US)検査
人間の耳には聞こえない高い周波数の音を利用し、コンピュータ処理で画像化しているのが超音波検査です。エコー検査とも呼ばれています。
X線被ばくはありませんので、小さなお子さんや妊娠されている方でも心配なく検査を受けることができます。
乳腺エコー画像