第36回愛知県診療放射線技師会学術大会実施報告
●第36回愛知県診療放射線技師会学術大会実施報告
第36回2024年度愛知県診療放射線技師会学術大会は、令和7年3月16日(日)11時00分から途中昼休憩を1時間はさみ、17時40分まで名古屋市立大学病院中央診療棟3階大ホールで開催しました。一般演題数が19演題と多く、今回は午前からの開催となりました。参加者は合計152名(会員 145名,非会員 7名)で、今年度も100名を超える参加者で盛会かつ充実した会でありました。
プログラムは「教育講演」、「特別講演」、「一般演題発表」の構成で、「一般演題発表」には今年度も昨年に引き続き多数の応募を頂き、厳正な審査にて全てを採択致しました。一般演題発表は3セッションに分け、学術部より6名の座長を選出しました。今回も若手の方の発表が多く、エネルギッシュで充実した意見討議が行われました。この愛知県診療放射線技師会学術大会が広く浸透し、この先学術で活躍するためのステップとして認識されていると感じました。
教育講演では、座長:水口仁会長によるIQVIAソリューションズジャパン合同会社 糟谷明大先生の「問題解決に使えるコンサル流ノンテクニカルスキル」というテーマで、問題解決のプロセスを目的とした御講演を頂きました。糟谷先生はかつて水口会長と同じ職場で働いていた診療放射線技師であり、自身の経験も踏まえて具体例を示して頂き、病院で働く診療放射線技師にとって大変に解りやすく、問題解決の手法を学ぶ事が出来ました。聴講者も若手技師が多かった事から「悔いのないキャリア形成」を期待したいです。
特別講演では座長:東出了常務理事による、金沢大学医薬保健研究域保健学系教授 市川勝弘先生をお招きして「放射線画像研究~少しでも人の役に立つために~」というテーマで御講演頂きました。市川先生は座長の東出常務理事の恩師でもあり、診療放射線技師と研究者の目線から「人の役に立つ研究」についてお話して頂きました。放射線画像研究において、「新しい画質評価法の開発」や「高精細CT装置の開発」など診療放射線技師であり研究者として研究に取り組んできたこれまでの経験や考え方について非常に興味深い内容でした。「臨床施設でも実施し得る研究」、「臨床に応える」という事の大切さをご教示頂きました。更には「論文化」の重要性についても伝えられ、「研究論文とはロジカルに考え、人に伝えること」と述べられました。聴講者として探究心やモチベーションの上がる内容であり、若い方々が集中して聴講する姿が印象的でした。