令和5年度第2回Cherishの会セミナー報告
令和5年第2回Cherishの会Zoomセミナー報告
半田市立半田病院 喜多野真紀
2023年12月2日 (土) 13:30より、本年度2回目のCherishの会Zoomセミナーが開催されました。現地会場への参加が大変な方にも参加していただけるよう、第1回に続きZoomミーティングを利用したライブ配信形式での開催となりました。
今回は女性が働き続けるために聞いておきたいこと、という大きなテーマで2講演行いました。
第1講演では「みんなで理解しよう!不妊治療」という題目で、小牧市民病院の産婦人科医師である佐野美保先生にお話しいただきました。
不妊治療の進め方は、不妊検査・タイミング療法・人工授精・体外受精・顕微授精というステップに分類され、タイミング療法・人工授精が一般不妊治療、体外受精・顕微授精が生殖補助医療になると教えていただきました。一般不妊治療は保険適用以前には1回あたり約3万円だったのが、保険診療では3割負担で約1.5万円に、生殖補助医療は保険適用以前には約50万円でしたが、保険診療では3割負担で合計約20万円に変化したそうです。しかし保険診療は制限も多く、使用できる薬も少ないため、中には自費診療で不妊治療を行いたいという方もみえるそうです。一方で保険適用によって不妊治療を行う方は増加傾向にあり、不妊治療に対する社会的理解が深まったと感じるそうです。最後に先生から、若い世代にも人生設計を意識した結婚や妊活について考えてほしいとお話いただきました。
第2講演では「持続可能な働き方 輝き続ける専門職」という題目で、藤田医科大学病院 看護部副部長の髙井亜希先生にお話しいただきました。
子育てには時間・周囲の協力が重要ですが、育休や産休に入っている間に現場を守る職員がいることを意識することも重要であるとして、藤田医科大学看護部では休暇を取得する職員に対して研修を始められたそうです。プレママプレパパ研修・キラママキラパパ研修・キャリママキャリパパ研修という研修で、それぞれ産休中・育休中・復職後に研修を行っており、内容としては休暇中に病院や看護部において変化した点の伝達や、先輩ママとの交流などがあるそうです。研修を導入したことで、子育て経験豊富な先輩看護師がいることの存在感、職場全体で支え合おうという連帯感、部署全体で子育て中の職員を支援してもらえるという安心感が生まれ、職員間での感謝の言葉や協力する姿勢が増えたそうです。途中、「子どもが育つ魔法の言葉」という本に紹介されている「子は親の鏡」という詩を朗読いただきました。この詩を子育て中の職員に渡す活動をされていて、詩を読んで涙する職員もいるとお話いただきました。子育てに限らず仕事においても周囲との協力があってこそ成り立っており、お互いを思いやり歩み寄る姿勢が大切であると考えさせられました。
多忙な中、本講演を快く引き受けてくださいました佐野先生、髙井先生に心より感謝申し上げます。